ブルーメンシュタインピアノコンクール&悲愴ソナタ on Bechstein コンサートグランド
ここ音降りそそぐ武蔵ホールでのブルーメンシュタインピアノコンクール予選も3回目を数えますが、演奏したのは初めてでした。
全体が八角形なのでしょうか、その八角形の舞台の上に聴衆も乗っているような具合で、かつてポリーニだったか、ベルリン・フィルハーモニー大ホールの広い舞台でピアノの周りに学生を座らせて親密な空間を敢えて作り出してコンサートをしていたのを思い出しました。
またベルリンにはPodium席というのがあって、これはオーケストラの後ろ、合唱団が立つ場所でこのひな壇によく座っては普通は拝むことのできない指揮者の顔の表情や、目の前にいるホルンの生の音を楽しんだり、ときにはスコアを携えてオーケストラと一緒に演奏しているつもりになったものでした。ピアノの場合は屋根が反対に向けて開かれているので音響は我慢しなければなりませんが、ピアニストたちの一挙手一投足をつぶさに観察することができました。
スケールは違いますが、この武蔵ホールもある種の一体感を覚えることのできる空間ではないかと思われます。天井が二階席分あり程良い残響が心地良い会場でした。
そしてこの予選の前日に引退表明のニュースが世界を流れたヴラディーミル・アシュケナージ氏が選定したという、氏のサイン入りのこのベヒシュタイン、安定した良い楽器でした。
参加者の皆さんもこの一体感を楽しまれたことと思います。
皆さんそれぞれの熱演をありがとうございました。
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