中東遠PTC&グレンツェン千葉、愛媛予選審査を終えて

連日ものすごい暑さの台風の季節ですね。グレンツェン千葉予選は長引いた梅雨の前線が台風とともに当日未明には消滅して梅雨明けを果たす前日でした。
同じく静岡県掛川市で毎年この時期に開催され、今年で35回目を迎える中東遠PTC(ピアノ指導者連盟)主催のコンクールも、グレンツェン愛媛予選もなんとか台風から逃れて雨に降られることもなく無事審査して参りました。

PTCは初めて携ったということもあり、戸惑うこともありました。審査の仕事内容としては、主に個別に講評を書き連ねるという事があります。普段から慣れているつもりではあるのですが、短い楽曲である上、回転率が高かったりすると寸評を書くだけでもギリギリの仕事になります。このコンクールでも毎年工夫を凝らしているようですが、聞くところによると昨年度の講評用紙にはなかった評価項目が今年は11個設けられ、『特によかった項目のみにチェックがついてます』という審査員に厳しい追加の仕事が。。


他コンクールなどでも講評用紙に予め設けられた観点に関する出来不出来の評価を4段階で書き入れなければならないことがありますが、今回は良ければチェックするというよりシンプルなものでまだやりやすいかなと考えていましたが、それはちょっと甘い考えでした^^;

今回感じたことは、この項目の内容自体に違和感があり、納得できなかったということです。
なるべく少しでも美点を積極的に褒めてあげようという姿勢には共感するのですが、『テンポの設定』『リズム』『アーティキュレーション』『メロディー(フレーズ感)』『和声感』『強弱・ニュアンス』『バランス』『音色の変化・美しさ』『表情・表現の豊かさ』『技術の正確さ』『適切なペダル(幼児を除く)』と並べられたとき、どれひとつそれだけ独立してよかったなどということがあるのでしょうか??

和声感や強弱を伴わないメロディー、フレーズ感?技術の正確さを伴わないリズムや音色の変化?アーティキュレーションの不正確な表情の豊かさ?

私にとってはこれらは切って離すことのできないもので、実際の審査の際にはチェックをつけてあげたいと足掻いてみましたが、矛盾を避けられない煩わしさに戸惑い、一貫したチェックをすることはできませんでした。そこまで熟考できる時間がありませんでした。


詰まるところ納得のいく演奏であればほとんどの項目にチェックができ、そうでない演奏だとどの項目にもつけることができなくなるということです。


ですから今回私からの講評用紙を受け取った皆さん、この部分に関してはあまり深刻に受け取ることのないようお願い申し上げます。


グレンツェン@千葉市文化センター

グレンツェン@愛媛県砥部町文化会館

7年後のリニューアル(?)を目指す、出雲のオオクニヌシの時代からの言い伝えのある日本最古の道後温泉本館

万葉集の額田王の名歌にある熟田津とはこの辺りにあった船着き場だそうです。

「熟田津に船乗りせむと月待てば潮もかなひぬ今は漕ぎ出な」

Pianist 寿明義和 Yoshikazu Jumei

ピアニスト~寿明 義和~【Official Website】です。 演奏情報、レッスン情報などを主に発信いたします。

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